2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

備忘録

幻想郷、その果てにある人里の中。とある少女がいた。彼女はいつも、相棒の猫と共にいた。猫の聴力は凄まじい。遠くの足音まで聞こえるほどだった。そして、嗅覚も人間の何倍もある。その特性を活かして少女と猫はコンビを組み、小さな探偵業を営んでいた。…

第一話 古びたお守り

青い空。太陽の日差しは降り注ぐ。その光は幻想郷を覆うことだろう。どこまでも広がる野原にも。妖怪たちの暮らす山にも。人間たちの暮らす里にも。そして、この古びた社にも。 賽銭箱の前には女性が座っていた。赤いドレス。赤いリボン。それらを優雅にまと…